感想:最貧困女子

なかなかにきつい本を読んだ。売春をする女性に対して自分で選んだ職業なのだから仕方ないと思う人は読んだ方がいい。

もし、この本を読んで最貧困女子が自己責任で努力でどうにかできると思うなら、同じ環境を想像して欲しい。私にはどうにもできない。

何も知らないで言うと、自分のことが嫌になる。実は私も売春をする女性は自分で選んだ道なのだから仕方ないと思っていた。しかし、その考えは変わった。

その変化を書く。

自己責任だから仕方ないだろうな

傭兵と売春は最古の職業。というフレーズがある。私は売春をする女性はいつに時代、どこにでもいる可能性がある。

売春をするのはその人なりの生い立ち、生活環境からセックスワーカーとしての生き方を選んだのだから私がどうこう思っても筋が違うと考えていた。

売春をしている人はある程度その仕事を自分の責任で選ぶのだから。そう思って売春をする女性についての本は見ていなかった。

自己責任ではない最貧困女子

この本に出てくる最貧困女子。この女性達は本当に恵まれていなかった。私も同じ環境で育ったら、今の自分はないと思える。

どんなふうに恵まれていないのかというと3つの無縁だった。この3つの無縁は家族の無縁、制度の無縁、地域の無縁である。

まず、親に問題がある。父親がギャンブル依存症、生活保護、精神障害者、離婚経験者、アルコール依存症。母親も同様の場合もある。

こういった家庭では子供は愛されない。GWに子供はどこにも行けない。学校でも浮いた存在になる。私も子供の時、何かやばい親がいる生徒とは距離を取ったであろう。子供が勉強に集中できる環境ではない。

クラスで孤立し、学校にいかなくなる。基本教育を受けないのだから、将来必要な基礎知識が身につかない。

興味がないならいいけども親から暴力、性的虐待を加えられるケースもある。

次に地域の無縁である。本では荒れた環境を紹介していた。その地域ではそもそも学校に通う生徒が一定以上いる地域であったようだ。朝からゲーセン、夜まで遊ぶ。昼間からバイクで暴走もする。

子供の内から非行に走ってしまう環境だ。子供も仲間の付き合いがあるので、やってしまう。親も子供に興味はないので、非行グループの活動を止めない。しかもこの非行グループでは中学生になると売春をして金を儲ける。

客の紹介は上級生が下級生にする。下級生が上級生になれば新入りに売春を斡旋する。始めただと断れない怖さが上級生にある。

嫌なら育児施設や学堂に逃げ込ませばいいのにと思うけども、それも敵わない。というのもここで問題になるのが制度の無縁だ。

学堂などの施設は基本的に親に帰すのが基本だ。子供は家庭の環境が嫌で家出をするのに強制的に怖い親がいる環境に逆戻りだ。帰される子供はどうぜ俺の意見など聞いてくれないとグレる。大人への不信感も募る。

学堂の大人達も嫌う。自分達を助けれてくれないサービスに関心がなくなる。大人達は助けてくれると言ってはいるけど、結局何もしないと諦める。

幼少時に親から虐待され、学校にもいかない、仲間からの同調圧力で売春、非行。勉強できないから公式のサービスも受けない。大人、社会への不信。自分は捨てられているという怒り。孤立感。

こんな状態で成功するなんて無理だろ。いや社会的成功どころか自分が困っていると声を上げることすらできないはずだ。

基本的に勉強をできない環境。子育てに無関心な環境に育てばそれだけ子供の知力は低い可能性がある。虐待を加えられていたら、知的障害の可能性もある。本書にも出てきた。自分がこれだけ困っていると不満や窮状を社会に訴える知力もなかった。

生活保護も市民サービスも知らない。むろん利用方法も知らないし、職員とも話す会話能力も乏しい。

最貧困女子意外にも売春をする女性がいる。その女性達は週1でキャバクラをする人たちだ。この人の最貧困女性に対する発言はおおむね否定的だった。おそらく週1の女性達の方が頭も良さそうで社会に訴える力はある。

誰にも理解されずに最貧困女子は苦しんでいるのだろうか?

よく今は女性が活躍する社会を作ろうと政治家や社会は言っているが、本書における最貧困女子のほとんどは活躍することはできないだろう。どうしようもない。

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俺には最貧困女子を救うことはできない

私はこの本から思ったことは自らの無力さだ。本当に情けないけど、私は本書にいる最貧困女子を救えそうもない。私とはあまりにも生い立ちが違いすぎる。

最貧女子は仲良くなった男性を試す行動があまりにも異常だった。著者が取材をしても、待合時間には何時間も遅れる。彼氏の電話には出ない。排泄物を冷蔵庫に固めて、彼氏にそれを見せる。

普通の女性なら相手を困らせて、自分の気持ちを確かめようとする。その行動が最貧困女子になるとこんなにも異常なのだ。著書は慣れているのか、その面倒なことを見ることを仕事としている。

しかし、俺には無理だ。その日を暮らすのは大変な女性たちだと思う。もし、俺に金があったとして、この女性達と夜を過ごせるかと言われたら無理だ。道で手首にリスクカットの跡がある女性に声をかけられたら怖くなる。

世の中の人間を全て愛することは素晴らしいことだが、俺にはあまりにも違う最貧困女子を救う気持ちにはなれない。

もう1つ学んだことは売春をしている人にも多くのタイプがいることだ。週1のキャバクラをしている人、地元への縁がある人、何もない人。路上で売春をする人。携帯で売春サイトに書き込む人。AVに出る人。

世の中には多くの人がいる。たぶん本書でも扱いきれない最貧女子もいるのだろう。売春をしている人がこうだという固定観念はなくなり、色んな人がいるんだなと思った。

あと確実に言えることだが、自己責任はないと思った。最貧困女子は自分で決断すら出来ていない。異常な家庭、荒れた地元、勉強できない。こんな環境でどうすればいいのだろうか?

私も同じ環境で生きていたら、都会でホームレスになっていたかもしれない。

まとめ:貧困は自己責任ではない

最貧女子のまとめ

  • 最貧困女子は声の上げ方すらわからない
  • 最貧困女子を救うことは出来ない

 

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