競馬では時に予想不能の大波乱が起こる。もし昔に私が生きていた予想を当てられるかと言えば99%無理だ。
現在競馬のG1レースはJRAが公式で配信している。競馬歴の浅い私でも過去のレースを見られる環境が整っている。
スポーツの醍醐味のひとつは大波乱である。大波乱と言えば私がどうしてもあげたいレースがある。
1985年天皇賞(秋)ギャロップダイナ:大波乱NO1のレース
大波乱のレースNO1は誰がどう思うともこの天賞秋しかない。当時の実況も勝ち馬のギャロップダイナが勝った時は思わずこう叫んだ。
あっと驚くギャロップダイナ!
ギャロップダイナが何故勝利したことが大波乱なのか以下にまとめてみる。
- 条件馬が3冠馬に勝利
- 騎手が当日決まった。その騎手はG1を勝利していない。
- 馬主の目的は天皇賞に出すこと。勝つことはほとんど諦めていた。
- 3冠馬のシンボリルドルフは現役時代から最強と評されていた。
- 芝馬なのかダート馬なのかわからなかった
- 騎手はギャロップダイナに初騎乗
まず、このレースの1番人気のシンボリルドルフはとんでもない化物である。無敗で3冠を制したのみならず、1年上の3冠馬ミスターシービーに全勝。
ミスターシービーも引退し、シンボリルドルフが負けることなど誰にも想像できなかった。3冠馬クラスでも勝てない。もはや年間無敗の記録も意識していたファンもいたかもしれない。
あまりの強さに有力馬の中には走る前から天皇賞秋に出走するのを回避するもいた。どうせ出ても負けるなら、勝てそうなレースに行く陣営もあった。
ギャロップダイナの馬主は自分の所有している馬が天皇賞にいないなんて駄目だと負けてもいいギャロップダイナを送り出した。ある意味ギャロップダイナは馬主の期待に応えて?走る形になった。
そんなギャロップダイナはどんな馬であったのかと言えば、ダートなのか芝なのかはっきりしない馬である。しかも1年近く2000メートルを走っていない。
私がこの時生きていたとしても、気にも留めない馬かなという印象だろう。騎手も初騎乗の根本とのコンビである。

前のレースは好走してますよ?いけると思うんじゃ

条件馬が3冠馬に勝利できるわけない!出走登録できた時点で頑張った。しかも条件で負ける馬がシンボリルドルフに勝てるわけがない。
ギャロップダイナとシンボリルドルフ以外にも多くの馬がいた。当時の人は勝つならギャロップダイナ以外の馬がもしかしら勝てるのではと思ったであろう。
まあ、シンボリルドルフの圧倒的人気でギャロップダイナは13番人気。あまり期待はされていなかったようだ。今なら条件馬が今後の経験のために出走したのであろうと私は思うだろう。
しかし、レースでは信じられないことに条件馬で、ダートなのか芝なのかわからない、騎手も初コンビ、馬主のプライドのために出走した馬が当時最強と言われた3冠馬シンボリルドルフに勝つのだ。
こんなの想像できるわけない。最近キタサンブラックが7冠馬になった。それくらい強い馬が条件馬に負けしまうようなものである。
ありえない。しかし現実に起きたことである。